熱性けいれんの症状と対処法!子供に起きた時のチェックポイント
『熱性けいれん』を知っていますか?
日本の子供の10人に1人は経験するといわれている疾患です。
10人に1人に起こるのであれば、自分の子供が熱性けいれんになる可能性は決して低くありません。
子供が白目をむいて、泡を吹いたり、ぴくぴくと震えている姿を目の当たりにして冷静にいられるママはきっといないでしょう。
しかし、自分の子供を守るのは親の役目です。
熱性けいれんが起こったとき、どのように対処すべきか悩んだ時のチェックポイントをまとめました。
判断の参考にしてください!
Contents
熱性けいれん(ひきつけ)とは?
『熱性けいれん』とは、38度以上の高熱がきっかけとなって起こる発作性の疾患です。
6歳未満の乳幼児期に起こるもので、その他発作の原因となる明らかな疾患がないものをいいます。
先日紹介した熱中症をはじめ、高熱の出る病気にかかった時、熱の上がり始めに起こりやすいのも特徴です。
はっきりとした原因はわかっていませんが、赤ちゃんの脳は神経発達がまだ未熟なため、発熱による刺激でけいれんを起こしやすいと考えられているようです。
また、両親をはじめ家族が子供の頃にけいれんを経験していると、起こしやすい傾向があるとも言われていますね。
典型的な熱性けいれんの症状
強直期(けいれん中)
身体をかたく突っ張る(反り返るような)
眼球が上転する
歯を食いしばる
息を止めている
唇が紫色になる
間代期(けいれん後)
身体の緊張が抜けてぐったりする
目が動く
四肢をビクビクさせる
口から泡を吐く
これを数分間経験する
けいれんが始まったときの対応3つ
けいれんが始まると、ママは必ずパニックになります。
絶対私も・・・
まずは深呼吸をしましょう!
単純な熱性けいれんが命に関わることはありませんし、合併症や後遺症を残すこともないとされています。
目の前でけいれんを起こす子供は尋常でなくても、けいれんが起こってすぐに死ぬことはありません。!
深呼吸したあと、する行動は以下の3つです。
体を横に向ける
時間をはかる
#8000に電話をかける
体を横に向ける
けいれん時におう吐してしまうことがあります。
平らな所に寝かせ、おう吐物がのどにつまってしまわないように、子供の顔もしくは体を横に向けます。
呼吸ができる体勢をとらせてあげましょう。
時間をはかる
けいれんの持続時間を測定してください。
通常の熱性けいれんであれば2~3分程度でおさまることがほとんどです。
5分以上続く場合は救急車を呼んだ方がよい場合がありますので、正確に時間をはかりましょう。
子供がけいれんしている間の時間は果てしなく長く感じるので、時計をしっかりと確認してください。
♯8000(小児救急でんわ相談)に電話をする
子供がけいれんを起こすと、驚いてすぐに救急車を呼びたくなります。
しかし、熱性けいれんの場合、けいれん後の意識がしっかりしていれば病院に駆け込む必要のない場合がほとんどです。
#8000は小児救急でんわ相談といって、休日、夜間の急な子供の病気にどう対処したらよいのか対処に困ったときに小児科医師、看護師への電話による相談ができます。
医療のプロがあなたの不安を聞きながら、必要な情報を引き出してくれます。
そして、一緒にどうすればよいか考えてくれます。
けいれん時はとても不安になります。
そんなときに電話ごしであれ、医療のプロが一緒にいてくれたならこんなに心強いことはありません。
※都道府県によって対応時間も違うので、詳細は厚生労働省ホームページへ
→http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html
注意すること
口の中に物や指を入れない
一般的によく耳にする「舌を噛んでしまわないように、口に何か噛ませる」という知識は間違いです。
口に挟んだものを飲み込んでしまって窒息してしまう可能性があるので、絶対にやめましょう。
ゆすったり、たたいたりしない
意識が戻らなかったり、死んでしまわないか心配になって、呼びかけながらゆすったりたたいたりしてしまいそうですが・・・
パニックになって、けいれんを起こす子供のそばで大きな声で名前を呼んだり、ゆすったり、顔をたたいたりするのはやめましょう。
刺激になって、けいれんを長引かせてしまう原因になることがあります。
飲み物や食べ物を与えようとしない
水分をとったら少し落ち着くかも?と考えがちですが、
意識が戻り落ち着いたからといって、すぐに飲み物や食べ物を与えることは避けましょう。
嘔吐の原因になるので、1時間くらいは様子を見るようにしましょう。
緊急?ホームケア?
緊急性のあるけいれん症状
・はじめてのけいれん
・6ヶ月未満のけいれん
・左右非対称のけいれん
・5分以上続くけいれん
・けいれんの後、1時間以上経っても反応がない
・短時間に何度もけいれんを繰り返す
・けいれんの後、繰り返し嘔吐する
・半日に2回以上けいれんが起こった
緊急性のないけいれん症状
・38℃以上の熱をともなう5分未満のけいれん
・左右対称のけいれん
・けいれん後の意識がはっきりしている
・呼びかけに反応したり、泣いたりする
子供のけいれんが目の前で起こると必ず強い不安に襲われるはずです。
冷静ではいられません。
そんな状況で救急車が必要かどうかの判断をするのは難しいですよね。
そんなとこそ、♯8000に電話してみてください。
けいれんが終わってから#8000にかけるかどうか悩むのではありません。
けいれんが始まれば、すぐにかけてください。
あなたの不安に寄り添いながら、必ず強い味方になってくれるはずです。
まとめ
子供が熱性けいれんになると、とにかく驚き慌ててしまいます。
まずは深呼吸!
子供の体を横に向けて、時計を見てから、#8000に電話をしてください。
電話先の医師や看護師が話を聞いて、適切な対応を教えてくれます。
大切な子供の一大事です。
冷静に冷静にと思うけれど、きっとそんな冷静にいられるママはいないでしょう。
しかし、パニックになった中でも、目の前で苦しむ子供のためにパパとママにもできることがあります。
それが、こちらで紹介した3つの方法です。
子供を守るために、この3つだけはしっかりと覚えておいてくださいね。